「再生毛髪の大量調製革新技術開発」プロジェクト

 毛髪再生医療は、従来の植毛治療では難しいと考えられていた「毛髪の総本数の増加」を可能とする画期的な治療法です。本プロジェクトでは、毛髪再生医療に必要な「細胞の増殖」「移植組織の作製」「精密移植」という3つの技術の確立と、ヒト細胞を用いた概念実証の達成により、毛髪再生医療の実現を目指します。

プロジェクトリーダー

プロジェクトリーダー:福田 淳二
福田 淳二
横浜国立大学 教授

研究体制

期間

(戦略的研究シーズ育成事業)
「毛包原基の大量調整法を用いた毛髪再生医療」

 2018年4月~2020年3月


(有望シーズ展開事業)
「再生毛髪の大量調製革新技術開発」プロジェクト

 2020年4月~

構成

  • プロジェクトリーダー
  • サブリーダー
  • 常勤研究員
  • 非常勤研究員
  • 研究補助員

実施場所

ライフイノベーションセンター(LIC)
神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-22 2F

研究報告(研究概要)

TOPICS

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研究概要

毛髪細胞研究概要図


 毛髪はヒトの見た目の印象を大きく左右することから、脱毛症治療への世界的なニーズは非常に大きく、近年、毛を作り出す器官である毛包を構成している細胞そのものを用いて、脱毛症の治療を行う毛髪再生医療に期待が寄せられています。この治療法は、患者本人の髪の毛1本を取り出し、その根本にある毛包組織から毛包幹細胞を採取して例えば100本分に増殖させ移植するというものです(図1)。

 従来の細胞懸濁液を注射器で単に頭部に打ち込むという手法では、毛髪の産生効率が低いという問題がありました。しかし最新の手法では、毛包を構成する2種類の幹細胞を用い、それぞれの細胞凝集塊を作製して接合させた上で、移植するというアプローチがとられています。この細胞凝集塊は「毛包原基」と呼ばれ、胎児期の組織形成プロセスを生体外で模擬したもので、移植後に高効率に毛髪再生を誘導できることが報告されています。ただし、この毛包原基は顕微鏡下で手作業で1つずつ作製する必要があり、ヒト治療に必要な数千個を作り出すのは現実的ではありません。つまり、一度に大量の毛包原基を簡便に調製できる技術が求められています(必要技術②)。さらに、これら2種類の幹細胞を毛髪再生能力を維持した状態で大量に増殖させる技術(必要技術①)、および調製した毛包原基を精密に移植する技術(必要技術③)の開発も実用化に不可欠であります。

 本研究では、工学的な視点から、上記3課題の解決に取り組み、毛髪再生医療の実用化を目指します。

研究内容

毛包幹細胞の培養

毛包幹細胞の電気刺激培養図

 毛包は、上皮系と間葉系の2種類の幹細胞からなる原基を形成し、形態形成されたのち、誕生後も一定周期でこの現象が繰り返されます。この恒常性は、毛包上皮幹細胞(上皮系)と毛乳頭細胞(間葉系)の2種類の細胞により維持されており、これらは毛髪再生の実現に必要な細胞といえます。我々は、これまでに毛包上皮幹細胞の毛髪再生能を維持しながら、増殖させるために、独自の三次元培養系を開発するとともに、毛乳頭細胞の電気刺激培養により、毛髪再生能を維持しながら、増殖させる技術の開発を進めてきました(図2)。本研究では、培地や電気刺激などの培養条件の最適化を行い、2種類の幹細胞の培養技術を確立します。

毛包原基の大量調製

毛包原基の精密移植

 毛包原基を精密な深さへ挿入することが可能な移植針を作製し、これをアレイ化することで、毛包原基を一度に精密かつ大量に移植できるツールを開発します。これにより、毛髪の大量再生の効率を改善することを目指します。

 

【お問合せ】
研究開発部 研究支援課 地域イノベーション推進グループ
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E-Mail : sks☆newkast.or.jp (☆を@にご変更ください)