各種硬さ試験機の違いによる金属材料の硬さ試験

各種硬さ試験機の違いの特徴

JIS(Japanese Industrial Standards:日本産業規格)に規程されている硬さ試験は様々あります。各硬さ試験はどのように選んだらよいのでしょうか?ここではKISTECで保有する硬さ試験機について、用途とその適用材料についてご説明いたします。

〇ブリネル硬さ試験(JIS Z2243-1)

ブリネル硬さ試験は鋼球あるいは超硬球を試料表面に任意の荷重で押し込み、くぼみの直径を測定することで硬さに換算する試験方法です。球は5mmと10mmが選択できます。荷重はHBW500~3000(試験力4.903kN~29.42kN)の間になります。試料台サイズはΦ65で高さは250mmまで測定可能です。

ブリネル硬さ試験では主にアルミニウムなどの軟質材料や鋳物といった試料に対して、大きな圧痕をつけることで硬さのバラツキを抑えることを目的としています。圧痕が大きいため測定対象の試料も比較的大きなものになります。圧痕サイズは5~10mm程度になります。
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  • 図1 ブリネル硬さ試験機(アカシ製ABK-1)
  • 図1 ブリネル硬さ試験機(アカシ製ABK-1)

〇ビッカース硬さ試験(JIS Z2244-1)

ビッカース硬さ試験はダイアモンドの四角すい圧子を任意の荷重で押しつけ圧痕の対角長さから硬さに換算する試験方法です。荷重によって試験機が変わり1~50kgfでは通常のビッカース硬さ試験を用いて数百μmくらいの圧痕を測定します。試料台サイズは120×120mmで高さ100mmまで測定可能です。
それ以下の低荷重(5gf~1000gf)ではマイクロビッカース硬さ試験機を用いて数十μmくらいの圧痕を測定します。試料台サイズは100×100mmで高さ70mmまで測定可能です。

ビッカース硬さ試験機には顕微鏡が付属していますので、局所的な部分を狙って硬さ測定が行えます。
例えばJIS G0557「鋼の浸炭硬化層深さ測定方法」やJIS G0562「鋼の窒化層深さ測定方法」のように表面から内部に向かって硬さの分布を取得することや溶接部における溶接金属や熱影響部の硬さの変化などを測定します。
溶接関連の分析事例は下記のリンクをご参照ください。
https://www.kistec.jp/sup_prod_devp/examples_measurement/ac_ipe0011/
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  • 図2 ビッカース硬さ試験機(アカシ製AVK-C2)
  • 図2 ビッカース硬さ試験機(アカシ製AVK-C2)
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  • 図3 マイクロビッカース硬さ試験機(マツザワ製MMT-X3A)
  • 図3 マイクロビッカース硬さ試験機(マツザワ製MMT-X3A)

〇ロックウェル硬さ試験(JIS Z2245)

ロックウェル硬さ試験は測定する手法により圧子や荷重が異なります。測定手法により初期荷重と追荷重が決められており、その圧子の押し込み時の変位量から硬さに換算します。ブリネルやビッカースのように圧痕サイズを測定する必要がないので工業的に最も使用される測定方法です。よく使用される測定手法(スケール)はHRCでダイアモンドコーンの圧子を押し付ける方法です。主に鉄鋼材料に対して使用します。HRBは軟質材料に対して使用します。そのほかHRAやロックウェルスーパーフィシャルなど1台で様々な測定手法が選べる多機能試験機です。また、圧痕を測定しないので表面性状はビッカースの測定の時のように精研磨までする必要はありません。圧痕サイズはおおむね1~2mm程度になります。
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  • 図4 ロックウェル硬さ試験機(ヒューチャーテック製FR-3e)
  • 図4 ロックウェル硬さ試験機(ヒューチャーテック製FR-3e)

この他にもJISで規定している硬さ試験は多数ありますがKISTECで保有している硬さ試験機は上記4機種となります。硬さ試験の選択にお困りでしたらお気軽にご相談ください。

ご利用を希望される方へ

同様の事例については、 試験計測(依頼試験) , 技術開発受託(受託研究) でご利用いただけます。

参考料金は以下の通りです。

料金表 (試験計測料金)

項目番号項目単位手数料
E0180硬さ試験1点につき990

表面性状により試料調整費が別途かかる場合があります。
 ・研磨のみ : E0080、または、E0090
 ・樹脂埋め込み+研磨 : E0091、または、E0092

詳細はお問い合わせください。

参考・関連リンク

今回の各種硬さ試験機の違いによる金属材料の硬さ試験の事例については、以下の関連ページもご参照ください。 スポット溶接による溶接部の評価技術

ご活用いただける業種、分野等

今回の各種硬さ試験機の違いによる金属材料の硬さ試験の事例については、
・表面処理業 ・熱処理業 ・金属製品
の業種の方にお勧めです。

また、
・材料の熱処理状態の把握
・表面処理の硬さの比較
・引張試験が不可の場合の強度の把握
などの課題の解決につながります。

【PRしたい強み】
金属組織観察、走査電子顕微鏡観察および表面分析、強度試験など様々な試験が可能です。また、マイクロビッカース硬さ測定に必要な断面試料作製のノウハウがたくさんあります。
  • この分析事例に関連するお問い合わせ
  • 担当:情報・生産技術部 システム技術グループ
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