2026年9月10日
アンテナ性能を見える化! 指向性測定による電波特性評価
アンテナ指向性とは、アンテナが電波を送受信するとき、アンテナのどの方向からどの程度の強度の電波が送受信されるのかを示したものです。パラボラアンテナのように一方向から電波の送受信を行う指向性が強いものや、Wi-Fiルーターのように全方位から均一に電波の送受信を行う無指向性のものなど、求められる指向性は用途により異なります。
電子技術部電磁環境グループでは電波暗室においてアンテナ指向性測定を行っています。図1のように床面に電波吸収体を敷いた電波暗室内において、ターンテーブル上1.5mのところにDUTを設置します。そして、3m離れた高さ1.5mのところに受信アンテナを設置し、ターンテーブルを360度まで回転させながら強度の変化をスペクトラムアナライザで測定します。測定可能な周波数範囲は300MHzから25GHzまでとなります。

測定例ではDUTとして図2のコムジェネレータを、受信アンテナとして図3の半波長ダイポールアンテナを使用しています。周波数は1GHzでDUTのアンテナ部分を水平面で回転させたときと、垂直面で回転させたときの指向性を測定しました。


図4は水平面の指向性で8の字となっており、前後方向(0度、180度)で強度が強いことが確認できます。図5は垂直面の指向性で全方位(360度)均一な強度分布となっていることが確認できます。


測定例では発信器を内蔵したコムジェネレータをDUTとしましたが、発信器を持たないアンテナ単体での評価も、当研究所で保有しているシグナル・ジェネレータ(SG)を接続することで測定が可能です(図5)。

ダイポール・アンテナは測定ケーブルの影響で180度方向の指向性(水平偏波)が少し乱れています。また、ホーン・アンテナは0度方向に鋭い指向性を持っています。
※ベクトル・ネットワーク・アナライザによる、アンテナのVSWR測定、共振周波数測定も可能です。
※電磁界シミュレーションによるアンテナ解析(指向性、利得、電磁界分布など)も実施しています。
保有するアンテナ
ホーン・アンテナ
- 0.7GHz~6GHz(Schwarzbeck社製BBHA9120、利得4~17dBi)2本
- 2GHz~18GHz(Schwarzbeck社製BBHA9120C、利得0.2~16dBi)2本
- 2GHz~18GHz(マイクロウェーブファクトリー社製MDH0218、利得6~14dBi)1本
- 15GHz~40GHz(Schwarzbeck社製BBHA9170、利得15~19dBi)2本
- 3.94GHz~5.99GHz(FLANN MICROWAVE社製12240、利得20dBi)1本
- 5.38GHz~8.18GHz(FLANN MICROWAVE社製14240、利得20dBi)2本
- 8.2GHz~12.5GHz(FLANN MICROWAVE社製16240、利得20dBi)2本
- 11.9GHz~18GHz(FLANN MICROWAVE社製18240、利得20dBi)2本
ダイポール・アンテナ
- 精密ダイポールアンテナ(Schwarzbeck社製UHAP:300MHz~1GHz、サイトアッテネーション測定用)2本
- 2GHz帯(アンリツ社製MA5612B3、1.95~2.25GHz、利得2dBi)1本
- 2.4GHz帯(アンリツ社製MA5612B4、2.25~2.6GHz、利得2dBi)1本
- 5GHz帯(アンリツ社製MA5612C4、4.6~5.3GHz、利得2dBi)1本
- 小型バイコニカルアンテナ(Schwarzbeck社製SBA9113、0.5~3GHz)1本
- 小型バイコニカルアンテナ(マイクロウェーブファクトリー社製MBA201、1~6GHz)1本
円偏波用アンテナ
- ログ・スパイラル・アンテナ 左旋偏波(Schwarzbeck社製CLSA0110L、1~10GHz、利得2dBi)1本
- ログ・スパイラル・アンテナ 右旋偏波(Schwarzbeck社製CLSA0110R、1~10GHz、利得2dBi)1本
料金について
参考:① EMI測定システムによるアンテナ指向性 20万円~
② ① + ベクトル・ネットワーク・アナライザによるVSWR測定 30万円~
③ ② + 電磁界シミュレーションによるアンテナ解析 50万円~
使用機器
ご利用方法
委託受託(KISTEC事業名:技術開発受託)で利用できます。