機能性食品の抗糖化評価方法の検討

化学技術部
海老名
  • バイオ・食品
  • 食品
  • #食品機能
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研究期間:平成29 年4 月~    
実施場所:海老名本部
研究担当:化学技術部 バイオ技術グループ

1.研究背景と目的

超高齢化に伴い健康寿命の延伸や未病の改善など健康に老いることが求められています。老化にかかわるストレスの1つとして糖化ストレスがあります。糖化はヒトの体を構成するタンパク質がヒトの食事に由来する炭水化物(糖)と反応することで引き起こされるため避けることができず、皮膚老化、動脈硬化などの一因となるといわれています。

糖化ストレスの図

この糖化を抑制するための1 つの方法として機能性食品の摂取が挙げられます。
本研究では、機能性食品の抗糖化性評価方法の検討を行い、新たな抗糖化性をもつ機能性食品の開発に寄与することを目的としました。

2. 平成29 年度研究結果

これまで当所における食品の抗糖化性評価方法としては主に試験管レベルでタンパク質の糖化最終産物(AGEs)のうち蛍光性AGEs の生成抑制作用を見ることで評価を行ってきました。

AGEs(糖化最終産物)の説明図

本研究では、食品の抗糖化性評価方法として新たに非蛍光性AGEs の1 つであるカルボキシメチルリジン(CML)の生成抑制作用評価方法の構築を行いました。各種植物抽出液を対象としてCML 生成抑制作用評価を行い、本研究で構築した評価法による評価が可能であることを確認しました。今後、本評価法を用いて新たな抗糖化性をもつ機能性食品の開発支援を行っていく予定です。

CML生成抑制率(%)のグラフ
CML生成抑制率(%)