2026年10月20日
画像解析および生成AIを活用した粉体粒度測定支援技術の可能性評価
Fisher Sub-Sieve Sizer(FSSS:粉体粒度測定装置)での測定は、多数の工程が手作業に依存しており、ミスが起きやすく、測定結果が作業者ごとにばらつく(属人化する)という課題があります。そのため、現場では「測定プロセスの安定化」と「作業効率の向上」に対するニーズが高まっています。本評価では、測定値の読み取りミス削減、属人性の排除等を目的に、FSSSの測定プロセスの一部を生成AIまたは画像解析で代替できるか検証したものです。
まず、目視による判定の代替として装置を撮影し、その画像に対して生成AIに水面を推定させ、正しい値となる人手による目視判定と比較しました。マノメーター内の水面高さ「低」「中」「高」の3パターンで実施した結果、図1に示すように、高水位では縦方向の一致が確認できたものの中・低水位では大きく異なり、人手の代替は困難であることが分かりました。より高性能な生成AIモデルを導入すれば精度向上の可能性はありますが、ローカル生成AIが実用的な範囲内での検証に留めました。
続いて、マノメーター背面に色付きテープを貼付することで、光の屈折によりテープが凸型に見える現象を利用し、画像解析で検証しました。段差部の抽出アルゴリズムを適用した結果、図2に示すようにメニスカス上端を検出でき、補正することで本来の位置合わせとなる下端を検出可能であることが分かりました。
さらに、撮影画像自体が解析対象として適切かどうかを生成AIに判別させる実験を行いました。図3の左画像に対しては「良」と評価され、エッジ勾配が30度以上であり水位ラインと目盛りのエッジがはっきりしていることが提示されました。右画像では「否」と判定され、ぼやけている点とエッジ勾配が不明瞭であることを指摘され、焦点の合わせ直しや高解像度カメラへの変更を推奨するアドバイスが得られました。これにより、画像品質の自動判定や再撮影指示をプログラムに組み込むことで作業者へのフィードバックや自動再撮影システムの実装が期待できます。 以上の検証結果を踏まえ、今後は製品の事業化に向けて取り組んでまいります。
