2026年5月11日
CAE解析における冷間鍛造加工の評価システムの開発
研究期間:令和7年4月~令和8年3月
実施場所:海老名本部
研究担当:情報・生産技術部
1 研究概要
(1)事業の目的
中小企業においては、多品種少量生産への対応が求められる中で、効率的な設計手法の確立が課題となっている。冷間鍛造は高精度な製品が得られる一方で、高荷重条件や複雑形状への対応が難しく、設計には経験やノウハウが大きく依存している。近年、CAE解析の活用が進んでいるものの、設計条件の妥当性を定量的に評価する汎用的な手法は十分に整備されていない。 本研究では、中小企業への提供を見据え、CAE解析結果(成形荷重、表面拡大率、金型応力、型充填)を統計的に処理して加工工程を定量評価する評価システムを構築する。また、摩擦状態(摩擦係数の把握、材料と金型の凝着・摩耗、潤滑状態の推定)については、トライボシミュレーターの開発および実験により把握することで、より実態に即した評価の実現を目指す。これにより、設計の高度化および効率化を図ることを目的とする。
(2)実施内容及び成果
実施内容
① 鍛造シミュレーションの評価手法の開発 (Fig.1)
・CAE解析により鍛造工程データを取得し、評価項目を整理(Fig.2)
・SN比を用いた統計的手法により評価システムを構築(Fig.3)
・モデルケースに対しパラメータ設計を適用し、設計条件の良否を評価(Fig.4)




② スパイクテストによるトライボシミュレーターの開発
・シミュレーションおよび実験(Fig.5)により試験条件を最適化
・解析と実験を対応付けたノモグラフを作成し、摩擦係数および摩擦状態を推定。(Fig.6(a) Fig.6(b))



成果と今後の展開
① 鍛造シミュレーションの評価手法
CAE解析結果をSN比により定量評価する手法を構築し、仕事量・金型応力・形状精度を統合的に評価可能とした。これにより、ロバストネスを考慮した加工安定性の評価や、複数条件の比較・最適条件の導出が可能となり、設計効率化への有効性を示した。
② トライボシミュレーターの開発
スパイクテストに基づき、摩擦係数および摩擦状態を定量的に把握する手法を構築した。解析と実験の対応により、摩擦特性の推定が可能となり、鍛造解析の精度向上に寄与することを確認した。
本研究で構築したSN比による評価手法は、CAE解析と連携することで、鍛造加工条件の定量的評価と最適化を可能とする。これにより、試作回数削減、設計期間短縮、開発コスト低減、生産性向上が期待される。また、摩擦状態の定量化による解析精度向上により、高信頼な設計支援技術として中小企業への展開が期待される。
その他
この事業はKEIRINの補助を受け実施しました。

※KEIRIN公式HP(別サイト)へリンクいたします。