アクチンを動かしているミオシンは、とても小さいけれど(0.00016 ミリ)、人に例えると、動く速さが、時速 288km、最大の力が、1,000 万 kg なんて、ほんとにスーパーアスリートだね。
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 助教 茅 元司先生に、きん肉に関するさまざまなお話や、実験をしていただきました。きん肉の役割、体の中できん肉がある場所、きん肉の構造などについてのお話の中では、人間と、四足歩行動物の違いについて教えていただきました。馬は、脚のほとんどが腱に包まれていることで、歩く程度の消費エネルギーで走れるといった意外な事実に驚かされました。
また、きん肉の収縮についてのお話では、きん肉は、神経から電気的な刺激が伝わって収縮することから、実際にきん肉に電気的な刺激を送る機器を使い、本当にきん肉が動くか確かめました。体感した参加者は、体が自分の意思とは関係なく動いていることに、「お母さんに、いたずらされているみたい。」と感想を言っていました。
そして、きん肉の収縮の源であるタンパク質、ミオシンとアクチンに関する実験を行いました。小さいものをみやすくするためには、拡大する、色をつける、印をつけるの方法があります。拡大して、蛍光色素を光らせて見えやすくする蛍光顕微鏡を使い、ミオシンとアクチンを観察しました。蛍光顕微鏡の画像を、プロジェクターで投影し、ライブ感を演出。蛍光色素で光るミオシンが、エネルギー源である ATP を加えると、アクチンが作用し、盛んに動き出した様子に歓声があがりました。
学校では教わることのない、筋肉の小さな仕組みまで知ることができた、とても貴重な理科実験室となりました。