太陽電池評価 | 光機能分野

KISTEC川崎技術支援部では、有機・無機を問わず太陽電池の性能評価を実施しています。

標準試験条件(Standard test condition: 1000W/m2, 25℃)での試験だけでなく、室内環境を模した条件での評価や温度依存性、照度依存性などさまざまな条件における評価に対応しています。

実使用環境を想定した評価を実施することで、みなさまの研究開発やものづくりをお手伝いします。

◆光照射装置

 恒温槽付きXe+ハロゲン2灯式超高近似ソーラーシミュレータ 山下電装 YSS-T150A

 恒温槽付きXeランプ1灯式ソーラーシミュレータ 山下電装 YSS-150A

 可搬型小型ソーラーシミュレータ 三永電機製作所 XES-40S1

 LEDソーラーシミュレーター セルシステム Iris-3

 低照度LED室内光シミュレータ セルシステム Iris-S T2500

◆分光感度測定装置

 分光感度測定装置 分光計器 CEP-2000MLQR

◆その他KISTECで開発した評価装置

  環境制御試験槽,搬送容器 アステラテック

  12ch同時測定ソースメジャーユニット セルシステム PVC-7012

 角度可変試料台 シグマ光機

恒温槽付きXe+ハロゲン2灯式超高近似ソーラーシミュレータ 山下電装 YSS-T150A

Xeランプとハロゲンランプを組み合わせることで高い近似度を実現しています。

さらに、付属の恒温槽により-20~80℃の範囲で温度設定が可能。

図1 YSS-T150Aの外観
図1 YSS-T150Aの外観

仕様

◆有効照射面積:150mm×150mm

◆放射照度場所むら:A(±2%以内)

◆放射照度時間変動率:A(±1%以内)

◆スペクトル合致度 : A(JIS C 8912, 8933, 8942)

◆温度制御範囲:-20~80℃

ソーラーシミュレータによる測定事例

◆単結晶シリコン太陽電池のI-V測定例

◆低照度環境を模した光照射

図2 YSS-T150のスペクトルとIECで定義されている太陽光スペクトルの比較

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。

恒温槽付きXeランプ1灯式ソーラーシミュレータ 山下電装 YSS-150A

仕様・特徴

◆普及率の高いXeランプ式SS

◆有効照射面積:150mm×150mm

◆付属の恒温槽により-20~80℃の範囲で温度設定が可能

図3 XES-40S1の外観

可搬型小型ソーラーシミュレータ 三永電機製作所 XES-40S1

仕様・特徴

◆照射範囲:40mm×40mm

◆JIS C 8912 等級 AAA

◆電源一体型のためコンパクトで持ち運びに便利

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

本装置は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究助成により購入したものです。

LEDソーラーシミュレーター セルシステム Iris-3

複数のLEDを組み合わせて光源とするソーラーシミュレータで、400~1100nmの範囲の光を放射します。

ランプ寿命が長く(約8000hr)、消費電力が低いという特徴があります。

また、発光させるLEDの設定を変更することで光量変化や、スペクトル変化など有機系太陽電池の特色を生かす光源としても活用できます。

図4 特定波長の光を発生させた例
図4 特定波長の光を発生させた例
図5 Iris-3の外観
図5 Iris-3の外観

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。

低照度LED室内光シミュレータ セルシステム Iris-S T2500

室内利用を想定したLED照明下で太陽電池評価をおこなうための装置で、KISTECで仕様を決定し、セルシステム社に作製を依頼した特注品です。

通常の照明器具にみられる交流電源の周波数に起因する揺らぎを排除するため、専用の電源を光源部分とは別体にして冷却を強化しました。

光源部は日亜化学製LED素子を放熱性の高いアルミニウム板上に配置して照度の安定性を担保しています。

この光源を組み込む測定用暗箱はベルト駆動により約1800mmの範囲で光源板の高さを連続的に変化させる機構を組み込むことで広範囲な照度変化と、0.47%という高い面内均一(@200ルクス)を実現しました。

さらに、光源部を付け替えれば市販の照明器具も使用できます。

図6  Iris-Sの面内分布@200 lx
図6  Iris-Sの面内分布@200 lx
図7 測定用暗箱の3D-CAD

分光感度測定装置 分光計器 CEP-2000MLQR

均一な単色光を照射し、太陽電池がどの波長の光を電気に変換しているのか(分光感度)を測定する装置です。

◆高い単色光光量 2.5mW/cm2(300~1100nm)

◆低周波数のAC法測定(0.1~100Hz)が可能

◆単色光によるI-V測定が可能

◆スポット光での分光反射率測定(300nm~1700nm)により内部量子効率が算出可能

◆有効照射エリア:10mm×10mm

◆白色バイアス光:CLASS AAA

分光感度測定装置 分光計器 CEP-2000MLQR
分光感度測定装置 分光計器 CEP-2000MLQR

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。

環境制御試験槽 

KISTECでは2015年度からペロブスカイト太陽電池(PSC)の性能評価に携わっています。

PSCは光電変換効率が高いうえ、溶液塗布による比較的短時間での作製が可能であるため次世代の太陽電池として注目されています。

PSCは未封止の状態でも発電できますが、そのままでは大気中の酸素や水分の影響により劣化が進行します。

未封止セルを長期間にわたり安定して評価するため不活性雰囲気中で評価が可能な試験槽を作製しました。

小型のグローブボックスに追加加工を施し、試験温度、酸素濃度、湿度等の雰囲気を積極的に制御した状態で光照射ができるような装置です。

また、外部の研究機関からKISTECへセルを持ち込む過程においても不活性雰囲気を保持できるよう搬送容器も併せて作製しました。

環境制御試験槽の外観
搬送容器
搬送容器

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。

12ch同時測定ソースメジャーユニット セルシステム PVC-7012 

12ch同時測定ソースメジャーユニット

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。

角度可変試料台 シグマ光機

通常の発電性能評価では太陽電池を水平に設置し、ソーラーシミュレータの光を真っ直ぐ受けた状態に保持します。

しかし、実際には太陽の位置が刻々と変化するため入射角が変化していきます。

屋外の状況を再現し、より実使用環境に近い状態で性能評価をおこなえるよう角度制御できる試料台を作製しました。

回転ステージとZ軸ステージを組み合わせているため、太陽電池の表面が常に回転中心になるように調整することが可能です。

環境制御試験槽の外観
角度可変試料台の外観

本装置は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究助成により購入したものです。