分光放射照度計による照度測定 ~人間の目に見える光について~
分光放射照度計を使用すれば光のスペクトルを測定できることを説明しましたが、人間の目に見える光の量(照度)を測定することも可能です。
人間の目は380~780nmの範囲しか感じることができず、380nm以下の短波長領域を紫外線、780nm以上の長波長領域の光を赤外線といいます。
また、380nm~780nmの光が均等に見えるのではなく、図1に示すように555nmに最大値を有するガウス分布になっています。
これを視感度係数といって、このグラフの外側にある光は見ることができません。
図2は白熱球のスペクトルで、長波長領域(グラフの右側)に高い値を示しており、触ると熱い、つまり赤外線をたくさん放射していることが判ります。
しかし、先程の視感度を掛けてみると図3のようになり、光として見えているのは全体の1/10程度だということが判ります。
では、最近主流となっているLEDはどうでしょうか。
図4はLED電球のスペクトルで、400~800nmの範囲の光しか発していないことが判ります。これはヒトの視感度とほぼ同じ範囲です。
このグラフに視感度を掛けてみると図5のようになり、白熱球よりは効率が良く元の光量の1/2くらいは見えているようです。
図3も図5もグラフの面積はほぼ同じ、つまりヒトの目に見える光量は同じということになります。
LEDが省エネと言われるのは、無駄な光(見えていない光)が少ないということが理由です。