文部科学大臣表彰を受賞!毛髪再生のための組織工学技術に関する研究|KISTEC NEWS online #1

研究開発部 実用化実証事業「毛髪再生医療実証」グループ
常勤研究員 景山 達斗

目次

KISTEC NEWS online #1|vol.32(2025年7月発行) 特集


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今回若手科学者賞を受賞された研究の概要を教えてください

毛髪再生医療は、従来の薬剤治療や植毛治療では難しいと考えられていた「毛髪の総本数の増加」を可能とする画期的な治療法です。本研究では、毛の元となる組織「毛包原基 (T. Kageyama et al. Biomaterials, 154,291-300, 2018)」や毛を生み出す器官「毛包のクローン (T. Kageyama et al. Science advances, 8, 42,eadd4603, 2022)」を作製する組織工学技術を開発し、動物への移植実験により毛髪が再生することを実証しました。この成果は、再生医療の基盤技術のみならず、育毛・発毛剤の創薬ツールや脱毛症の発症メカニズム解明への応用が期待されます。(関連:図2~4)

Q. 受賞に際し率直なお気持ちをお聞かせください

目標の一つとしていた賞であり、受賞できて大変嬉しく思います。
一方で、多くの研究協力者のお力添えなしには、この賞は得られなかったと感じています。
特に、常に新しいことにチャレンジする大切さを教えていただいた福田淳二先生、一緒に研究に取り組んできた研究室の卒業生や在学生の皆様には大変感謝しています。
次は、科学技術賞を目指して、この研究を発展させていきたいと思います。

Q. 研究を通じて苦労したこと・大変だったことを教えてください

これまで好奇心を原動力に研究を進めてきたので、やりたいことが山ほどあり、時間の使い方には苦労しました。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ということわざがありますが、二兎を完璧につかまえようとすると、うまくいかないものです。博士課程修了後の時期がそうでした。
目標を兎よりも小さな蟻くらいに設定する。つまり小さな目標を毎回設定することで、複数のプロジェクトをうまく並走することができるようになりました。
現在では、「五蟻を追うものは、五蟻を得る」ようなタイムマネジメントを心がけています。


KISTEC NEWS online #1|vol.32(2025年7月発行) 特集

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