技術開発可能性評価支援内容:令和2年度

テーマ1:県内農産物の美容機能性評価手法の構築と高機能化粧品への利用

目的

 近代化学㈱は地産地消をテーマに神奈川県産農産物の成分を配合した化粧品ブランド「EVERY NATURE DAYS」を設立し、海老名市産のイチゴの果汁や座間市産のひまわりの種子油を配合したヘアケア化粧品を発売している。使用感評価では高評価を得ているが、今後その化粧品の機能性をアピールして とがったプロモーションを展開するために科学的根拠(エビデンス)を取得したい。そこで早稲田大学 原太一教授の「細胞の内在的浄化機構賦活化を評価する」手法を用いて美容エビデンスを取得できる可能性を検証したい。

可能性評価の具体的な実施内容と結果

 早稲田大学において各抽出液の機能性評価を行ったところ、オートファジーを誘導する活性が見出だされた。オートファジーは肌の再生や育毛に寄与することが明らかになっているシステムであり、オートファジーを誘導する抽出画分には皮膚細胞のバリア機能を高める効果や育毛補助効果が確認されている。また、オートファジー誘導活性とは別に、育毛補助効果のみを示す抽出画分も見出した。

イチゴの果実の抽出液

イチゴの果実の抽出液

イチゴのつるの抽出液

イチゴのつるの抽出液

評価

 海老名市産イチゴの果汁の美容エビデンスを取得することができた。今後は この果汁を配合したヘアケア化粧品を特色あるブランドとして差別化することに活用する。また有効成分を特定し、より高機能な化粧品の製品開発に展開したい。
 内在的浄化機構賦活化の評価手法を他の農林水産物にも適用し、新たな機能性素材を見出していきたい。

 


テーマ2:高齢者の運動機能を高めるVRの可能性の検討

目的

 急速な高齢化の進展等を背景に、支援する側の負担を軽減し、高齢者の身体機能の維持と自立した生活を維持できるよう福祉用具開発への期待が高まっている。デイサービス(通所介護)では、理学療法士による運動機能維持を目的としたプログラムがあるが、1人に対して十分なケアができないのが現状である。また、施設が広くないために、効果的な運動をするのが難しい。そこで、安全かつ、省スペースで運動効果を期待できるVR技術(装置・コンテンツ)用いて高齢者の運動サポートの有用性と使い手の視点を探るためユーザビリティを調査し、課題抽出、ビジネスモデルの新たな可能性を検討する。

可能性評価の具体的な実施内容と結果

 今後のビジネスモデルを見据え、ターゲットユーザーとなる高齢者を対象にユーザビリティ調査を行うにあたり、VRコンテンツ事業者、デイサービス事業者、理学療法士、KISTECの体制で共創し、以下の検討、ユーザビリティ調査を行った。
・VR装置の検討(高齢者が受け入れやすいVR装置であること)
・検証用コンテンツ検討(安全性や介護度に配慮した運動を促がすコンテンツ内容)
・利用環境、ターゲットユーザー高齢者の介護度の対象検討
・ユーザビリティ達成基準、アンケートの策定、調査方法の検討

 ユーザビリティ調査は、既存VR製品2種類と検証用VRコンテンツを用いて、ターゲットユーザーの高齢者と健常者を被験者に実際に行っている行動をヒアリングとチェックリストに沿って比較観察した。新型コロナウイルス感染防止の観点から、遠隔による調査方法の検討をし、現地(デイサービス)での人数を極力少ない形で調査を実施した。
その結果、視界を覆うVR装置に概ね抵抗もなく、VRコンテンツによる運動効果の可能性も見られた。今後のビジネスモデルの基盤となる情報を得ることができた。

検証用コンテンツ検討の様子

検証用コンテンツ検討の様子

 

評価

 ユーザビリティ調査によって、高齢者とVR技術(装置・コンテンツ)との関係性と課題が明らかになった。更にVRコンテンツを改良していくことで高齢者への運動効果が期待される。