光コヒーレンストモグラフィーによる錠剤の液中崩壊挙動のその場観察

●研究期間:令和2年4月〜令和3年3月
●実施場所:海老名本部
●研究担当:機械・材料技術部 材料物性グループ

研究概要

 錠剤は、医薬品や機能性食品等の定番剤型です。特に医薬品では、狙った場所やタイミングで人体に薬剤を吸収させるため、崩壊性の的確な制御と品質管理が求められます。このため、崩壊現象の実態の理解は極めて重要です。本研究では、波長掃引型光コヒーレンストモグラフィー(SS-OCT)を基軸に、錠剤が吸水して崩壊に至るまでの内部構造変化の過程を動的に非破壊観察し、外観変化や重量変化の同時測定を両立するための評価システムを新たに構築するとともに、画像解析で内部構造変化過程を定量的に可視化することを目的としました。

研究成果と今後の取り組み

 図は、市販錠剤の内部構造変化過程の定量解析結果です。構造敏感なスペックルパターンの変位量をデジタル画像相関法で解析することで、構造変化の大きさや位置に関する情報を可視化できました。本研究より、錠剤と水が接触すると、錠剤自身の毛細管力によって吸水が起こると同時に内部では構造変化が不均質に進行し、水が浸入しづらい領域は様々な大きさの塊となりやがて水中に散開していく、という崩壊過程を重量変化と直接関連付けて明らかにすることができました。本成果は、所望の薬効性を発現するための定量的な錠剤設計の重要な基盤情報になると考えられます。

 今後は、水の経路を決める粒子充填構造と内部構造変化過程の相関関係の解明に取り組みます。

吸水を起点とする錠剤の内部構造変化過程の解析例

図 吸水を起点とする錠剤の内部構造変化過程の解析例