人工オパールの陶磁器への応用

●研究期間:平成31年4月〜令和3年3月
●実施場所:海老名本部
●研究担当:機械・材料技術部 ナノ材料グループ

研究概要

 オパールの微構造と発色を模倣した「人工オパール」を陶芸用の顔料として応用する、女子美術大学との共同研究です。人工オパールは1/1000ミリメートル以下の微粒子から構成され、その充填構造が特定の色の光を強め合うように反射すると、色を発現します(構造色:図1)。

 人工オパールの分散液(図2(a))を絵具のように塗るだけで色を発現し、従来の陶芸技法に馴染むように実用化することを意識しました。いかに粒子の大きさを揃えて規則正しい周期構造を形成させるかが重要なポイントです(図2(b))。

 

構造色の発色原理のイメージ図

図1 構造色の発色原理のイメージ図

<人工オパールの特徴>

●サステナブル素材

 砂や窓ガラスの主成分である酸化ケイ素で、紫、青、緑、黄、赤等の色を発現します。

●これまでにないデザイン

 国宝「曜変天目茶碗」のような、光の角度によって色が変わる発色が可能です。

●低コスト

 お茶碗試作1つあたりの人工オパール材料費は約10円です。

(a)人工オパール分散液の外観と(b)塗布表面の拡大観察像

図2 (a)人工オパール分散液の外観と(b)塗布表面の拡大観察像

研究成果と今後の取組み

 光の正反射と拡散反射のバランスを調整し、光の角度によって色が変わる発色と、従来顔料のような角度依存性の無い発色をコントロールすることができました。粒子の隙間を原料の未反応成分で埋めて海島構造を形成し、花器等のインテリアとして使用できる程度に、人工オパールを陶磁器の表面に焼き付けることができました(図3)。技術移転先を募集しております。KISTECメール技術相談フォームより、お問合せ下さい。

6種の人工オパール用いた作品

図3  (a) 6種の人工オパール用いた作品。                    
粒径によって色が異なる。                
 (b)曜変天目の色をモチーフとした作品。
         光の角度によって青↔緑と色が変わる。