光触媒反応における中間生成物の分析と人工光合成材料の性能評価に関する研究

●研究期間:令和2年4月〜令和4年3月
●実施場所:溝の口支所
●研究担当:川崎技術支援部 材料解析グループ

研究概要

 近年、空気汚染の多様化、深刻化に伴い、光触媒の空気浄化分野への応用が期待されています。また、光触媒の性能評価では、空気浄化の観点から対象物質の完全分解が望ましく、中間生成物の正確な分析が課題です。そこで、本研究では、捕集管による溶媒抽出法を用いて、各種反応における中間生成物の分析を行いました。また、今後の光触媒の展望として、人工光合成分野での活用があります。現段階では、基礎研究レベルの検討ですが、成功したときのインパクトは大きく、この分野のご相談や試験ニーズは年々増加傾向にあります。本研究では、可視光応答型光触媒であるCdS/SiC複合体をターゲットに、その水素生成能の評価も併せて実施しました。

図1 光触媒の応用例

研究成果と今後の取組み

 中間生成物の評価では、光触媒とオゾンの併用について検討しました。その結果、オゾンによる酸化分解に比べて、光触媒反応では中間生成物の生成量が少ないことが分かりました。また、両者を併用することで、効果的に対象物質が分解されることが示されました(2)。本研究は、CO2生成量を追う従来の性能評価に比べて、反応機構に踏み込んだ性能評価を実現し、光触媒製品の開発、耐久性などの品質管理への応用が期待できます。
 また、水素生成能の評価では、2種類の評価方法を検討しました。従来の閉鎖式試験に比べて、開放式(通気式)試験は操作性が良く、簡便な性能評価が可能で、尚且つ内圧等の影響を受けず、定常的な水素生成を確認することができました(図3)。本研究は、光触媒に関する性能評価技術の裾野を広げ、人工光合成分野のご相談、試験ニーズのための基礎研究に位置付けられます。

図2 光触媒反応におけるオゾン併用の効果

図3 人工光合成材料の性能評価

(2022年3月論文発表https://www.mdpi.com/2073-4344/12/3/316