令和3年度経常研究テーマ一覧

1 機械・材料技術部 計算材料科学の活用に向けたTiNiCu系合金における計算状態図の作成 金属材料開発において金属組織観察は欠かせない試験であるが、研磨作業に加え結果の解析の際も技術・経験が必要となるため、人手不足が課題となっている。一方近年、計算機性能の向上によりPhase Field法やCALPHAD法などの“計算材料科学”を活用した金属組織の予測が可能となってきている。計算材料科学を活用した材料開発の効率化は今後さらに活発になることが予想されるが、未だ一部の大企業や大学などに活用が限定されているのが現状である。そこで本研究では、現状のKISTECの設備での対応が現実的なCALPHAD法に着目し材料開発の効率化に活用すると共に、計算材料科学活用の推進に向けた今後のKISTECにおけるCALPHAD法の運用方法について考察することを目的として研究を行う。
2 機械・材料技術部 ねじの緩み評価試験の実用化検討 ねじの緩み・脱落は時に重大な事故を引き起こすことから、緩み防止機能を高めた様々なねじ製品が開発されている。ねじの緩み評価試験のひとつであるNAS振動試験については、M8ねじを対象とした一昨年度の研究から、既設の振動試験機を活用することで評価試験が可能であることが検証できた。本研究はその実用化を目指すものである。具体的には、実用化において課題と考えられる呼び径の異なるねじへの適用や試験治具の寿命について検討を行う。
3 機械・材料技術部 BGAの接続信頼性について 様々な電気製品に用いられる電子基板は年々と小型・高密度化し、また実装される電子部品も様々な高性能なものが開発され、その接続方法も多種多様化している。従来においてもその接続方法の一つであるBGA接合部の品質確認にはX線が使用されることがあったが、明確な品質基準や規格も無いため、得られたX線画像のどの部分をどのように判断してよいか当事者の感覚に頼るしかないのが現状である。本研究はX線によるBGA接合部の品質確認を容易に識別・判断できるようにすることが目的であり、BGA接合部の状態と実際の接続強度を比較し、相関を求めるものである。
4 機械・材料技術部 流体潤滑(HL)領域で摩擦した炭素系硬質薄膜(DLC膜)の各種表面物性分析に関する検討 ハイブリッド車(HV)等の環境対応車両におけるエンジン摺動環境では、特に高回転数側である流体潤滑(HL)領域における超低摩擦(摩擦係数0.01以下)発現と環境性能向上の両立は重要な課題である。これまでに炭素系硬質薄膜(DLC膜)の摩擦特性について,①生分解性エステル系油剤が超低摩擦を示すこと、②超低摩擦を示すために表面粗さRa値をできるだけ小さくすること、を明らかにした。本研究では、このような条件下で摩擦後試料を作製し、摩擦前後の試験片での表面観察や表面分析の変化、また油膜厚さや潤滑状態のシミュレーションにより、HL領域で摩擦した炭素系硬質薄膜(DLC)の摩擦現象について推察する。
5 機械・材料技術部 アルコキシドを用いた酸化チタン粒子の作製と評価 金属アルコキシドとはアルコールの水酸基の水素が金属で置換されている化合物の総称であり、これを原料に用いた液相反応で無機粒子を簡便に合成することができる。本研究では、Tiアルコキシドを原料に用いて、孔構造やバンド構造に特徴のある酸化チタン粒子を得ることを目的とする。
6 機械・材料技術部 新規導入EPMAを用いた微小領域・微量分析技術の検証 情報通信技術や自動運転技術の発達に伴って機器の小型化、高集積化、高性能化が進んでおり、これに伴って微小領域における高精度分析技術の重要性は益々高まっている。本研究では新たに導入する最新型の電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analysis)を活用して微小領域分析、微量元素分析の技術を確立し県内を中心とする製造業の発展を支援する体制を確立することを目指す。
7 機械・材料技術部 X線CT観察とOCT観察を複合的に用いた新規材料評価法の検討 これまで、X線CTスキャンとOCT法を用いて、主にセラミックについて構造評価を行ってきた。今後、セラミックに樹脂コンポジットなども対象に加え、同一材料の同一箇所に対して上記二つの方法による観察を蓄積し、体系的に整理していくことで、複合的な評価機能を見出すことを目指す。OCT観察は医療向けの生体の非侵襲観察に特化した技術としては広く普及しているが工業的な応用は不十分である。X線CTスキャンとOCT法の両手法を連携してより幅広い非破壊検査ニーズに対応したい。
8 機械・材料技術部

近赤外遮蔽特性を有する化粧品用顔料の開発

太陽光に含まれる紫外線が肌の炎症や、シワ・シミといった光老化をもたらすことは一般によく知られている。そのためこのような作用を持つ紫外線から肌を守る紫外線防止化粧品が各メーカーから販売されている。ところが近年は紫外線だけでなく、肌のより深層まで到達する近赤外線も光老化の原因となることが指摘されており、近赤外線遮蔽性を付与した化粧品も見られるようになってきた。本研究では化粧品用無機顔料として広く用いられる酸化亜鉛をはじめとした酸化物粒子を液相合成法により作製し、粒子の形状や大きさを制御することで市販品よりも高い近赤外遮蔽特性を示す材料の開発を目指す。さらに生体適合性の付与を目的とし、作製した粒子表面へのコーティングも併せて検討する。
9 機械・材料技術部 多孔質吸音材の垂直入射吸音率予測モデルの作成 家電や産業機械をはじめ様々な機器に対して、低騒音化の要求は高い。低騒音化対策に用いられる吸音材の評価は、これまで当所では、実測定によって行っていた。本研究では、多孔質吸音材を対象として、嵩密度などから垂直入射吸音率を計算によって求めるプログラムを作成する。2種類の吸音材を積層した場合についても検討する。垂直入射吸音率を計算によって求めることができるので、音響管計測の活用法が大きく広がり、理論予測に基づく吸音材の特性評価が可能となる。
10 機械・材料技術部 異形平板試料のゼータ電位 当所が保有しているゼータ電位・粒径測定システムは、平板サンプル表面のゼータ電位を評価することができる。ただし、サンプルの性状には制限があり、全面が均一で目視レベルの平坦性が求められ、かつ絶縁性も必要である。しかしお客様から提供される実サンプルが、必ずしもそのような理想的性状をもつとは限らず、理想的条件から外れた時に何が起きるのか見極めておくことは重要であるため、いろいろな異形試料を作製して検討する。
11 電子技術部 半導体カーブトレーサを用いた電気-熱連成解析用デバイスモデルの作成 パワーデバイスの電気-熱連成解析を行うためには電気および熱的なデバイスモデルを作成する必要があるが、本研究では電気的なデバイスモデルの直列抵抗成分の温度依存性を計測する手法について検討を行う。方法としては以下のとおりである。
・半導体カーブトレーサを用いて、室温から250℃までの温度範囲でI-V特性を測定する、自動測定メニューを作成する。
・この測定メニューによるSiCショットキーバリアダイオードの測定結果から、カーブフィッティングによりデバイスパラメータのあわせこみを行う手法について検討を行う。
・取得したデバイスパラメータを用いて、熱過渡解析やパワーサイクル試験のシミュレーションを行い、実測との比較を行う。
12 電子技術部 超音波映像装置による微小構造物の音速測定に関する研究 超音波映像装置により、1mm程度および1mm未満の微小構造物を高精度で音速測定することが求められているが、測定条件について十分わかっていない。そこで、本研究では、Si、ガラスなどの典型的な材料について、10%以内の高精度で音速測定するためにはどのような手順が必要であるか明らかにする。
13 電子技術部 パワエレ用電子部品実装に関する研究 近年SiCなどのワイドバンドギャップ半導体を利用したパワーデバイスの開発がすすめられている。このワイドバンドギャップ半導体の長所の一つとして高温動作がある。しかし、この高温動作に対応する実装技術の多くが、250℃までの研究報告であり、さらに高温である300℃対応の実装技術が求められている。本研究では、安価でかつ耐久性があり、高温動作が期待できる銅合金の接合材料の着目し、研究開発を進める。また、イオンマイグレーションの起こしやすい銅合金の接合部の信頼性評価のため、環境試験分野(高温高湿バイアス試験等)の必要な試験装置の仕様や試験手順などについて調査検討を行う。
14 電子技術部 電子線描画を用いた光学回折素子構造の試作 光学回折素子(DOE:Diffractive Optical Element)は光の回折を利用してレーザー光を所定のパターンに変える素子であり、電子線描画を利用した微細加工の開発対象のひとつして着目されている。光学回折素子用のレジストの厚みに分布をもつ3次元構造は通常の電子線描画でのパターン形成よりレジスト厚みの制御が必要な点で作製が難しくなるので、これを検討する。光学回折素子用のレジストの3次元構造は電子線描画装置を用いて多諧調的な描画を行って作製する。この3時点構造の作製の難易度が高いため、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面形状の評価を行い、電子線描画での作成条件を検討する。
15 電子技術部 5Gを含む無線周波数帯域の電磁界分布可視化システムの開発 現在、携帯電話やWiFiなどマイクロ波帯域の電波を利用した無線通信システムが広く利用されており屋今後さらに高速低遅延化が進展する。しかし、電波は目で見る事ができないため、通信がつながりにくい場所を特定することは難しく、場所によっては遅延が発生する可能性もある。本研究では、5Gを含む無線通信システムの通信環境における電波状況を確認するため、電磁界分布可視化システムを開発する。この可視化システムを利用することで、無線システムごとの電波状況を確認することができ、更に、電波状況を改善するための電磁波シールド材料や電波吸収体を施工した場合の効果ついても検証することができる。
16 電子技術部 電波行政と電波応用に関する基礎的な調査研究 国内の電波行政と電波応用において、通信機器のサプラチェーン全体に、参入障壁になる課題などが内在している。本研究は、県内外の通信関連の業界に対するビジネスの上流工程における各種提案活動などに応用できる電波行政と電波応用に関する情報の活用等に関する調査研究である。通信分野の明晰的な情報を蓄積して、企業支援へつなげることを目的とする。
17 情報・生産技術部 ランダムフォレストを用いたLMD時における投入粉末の歩留りにおよぼす影響度の検証 LMD(Laser Metal Deposition)はレーザー照射により形成される溶融部に金属粉末を投入し、肉盛溶接を行うことで金属積層造形や部分的な機能性付与が可能な、近年注目の技術である。このLMD時に投入する粉末量に対する実際の溶着効率(歩留り)は加工条件や投入方法により変化し、製造コストに大きく影響をおよぼす。そこで本研究では機械学習の手法としてランダムフォレストを用い、種々の加工条件から歩留りにおよぼす重要度(インポータンス)を導出するとともに加工条件から歩留りを予測するモデルを構築する。さらにそのインポータンスがおよぼす条件下での実際の加工現象をハイスピードカメラで検証し、溶着状態と歩留りの関係を明らかにする。
18 情報・生産技術部 デザイン調査における機械学習利用の可能性 デザイン、ものづくりをする上で、ユーザー視点に立つことは重要である。開発のそれぞれのステージにおいて最適なデザイン調査を行うことで、様々な視点やニーズ、課題が明確になり、開発の手戻りが少なく、効果的な開発が可能である。その一方で、評価チェックリスト、アンケートの集計、分析に時間を要するため、即時的な活用が難しい状況がある。本研究では、アンケート、チェックリストの集計、分析、評価の時間短縮を図る手法について機械学習の適用の可能性、有効性を明らかにする。
19 情報・生産技術部 座面に使用される木質素材の強度性能(2年目)
劣化予測につながる評価方法の開発
近年は座面の意匠性を特徴とした集成加工された座面がみられる。当所の依頼試験でスツールの座面の強度を測定する事例も多い。JIS基準をクリアすることも大事だが、耐荷重や劣化に対する評価も行いたい。耐荷重は破壊試験で評価できるが、劣化に対しては耐久性試験だけでは評価は難しい。座面からもっと多くの情報を収集し、刻々と進む劣化状況を評価する必要がる。本研究では樹種、荷重および負荷回数を因子として、劣化との関連性を明らかにする手法の開発を目指す。
20 情報・生産技術部 ローカル5Gへの適用を想定したロボット用ミドルウェアROS 2のリアルタイム性の評価 近年、モバイル通信向け通信規格である5Gを用いて局所的なプライベートネットワークを構築できるローカル5Gに注目が集まっている。特に産業分野ではロボットの遠隔制御への適用が期待されている。一方、ロボット制御ではロボット用ミドルウェアが重要で、その中で大きなシェアを有しているROS(Robot Operating System)はリアルタイム性を有するアーキテクチャに刷新したROS 2へ移行しつつある。ローカル5Gを利用したロボットの遠隔制御の実用化に向けて、ローカル5GとROS、二つの観点から調査が必要である。
初期評価として5Gのエッジコンピューティングを模擬するようなロボットの遠隔制御システムを構築し、リアルタイム性を評価する。
21 化学技術部 配糖体ポリフェノールの超臨界二酸化炭素抽出におけるエントレーナー効果の検討 植物などには様々な健康機能性成分が含まれており、その成分を抽出、濃縮して生薬やサプリメントといった形で利用されています。機能性成分の多くは配糖体として存在し、現状は水抽出やエタノール抽出、水-エタノール抽出が行われている。しかし、溶媒除去、濃縮の工程で加熱が必要で、機能性成分が熱変性する懸念がある。そこで、加熱しなくても除去できる超臨界二酸化炭素で 配糖体の抽出を試みる。超臨界二酸化炭素単体では配糖体をほとんど抽出できないため、エタノールなどを少量 添加し、そのエントレーナー効果を検証する。配糖体の抽出量、純度などを測定し、現状の溶媒抽出法と比較する。
22 化学技術部 日本酒の「上立ち香」「含み香」の分析方法の検討 「上立ち香」「含み香(口中香)」といった 人が飲酒時に感じる香気を、機器分析で客観的かつ再現性良く評価する方法を開発する。
23 化学技術部 酸素濃淡電池腐食に関する研究 酸素濃淡電池腐食(別名 通気差腐食)とは、溶存酸素(DO)の濃度差が存在する水中に金属が浸っている場合、DO濃度が低い部分の金属の腐食が促進される現象である。この種の腐食の代表例は、pH緩衝性の無い中性環境中において鋼に発生するものである。酸素濃淡電池腐食は銅合金には発生しないとされており、その他の金属素材において発生するかどうかは明確には分かっていない部分も多い。そこで水中にDO濃度差を発生させる実験系を組み立て、鋼およびその他の実用金属材料を用いて、酸素濃淡電池腐食が発生するかどうか、また発生する場合の条件について調べる。得られた結果を将来の腐食トラブルに対応する際の情報源として役立てる。
24 化学技術部 環境因子がプラスチックの破壊挙動に及ぼす影響 プラスチックは、軽量性・成型性をはじめとする優位性から、構造材料としての需要が高まっているが、破損トラブルも絶えない。プラスチックの破損メカニズムとして、応力だけでなく、応力と環境因子(薬剤、光、温度、水分等)が複合的に作用することが知られているが、詳細は明らかになっていない。破断面の形状観察から破損に至る経緯を推察する破面解析が、 トラブル対策手段として期待されている。
今年度は、光や温度により劣化させたプラスチックの、破損挙動と破断面の形状との対応事例を蓄積することを目標とする。
25 化学技術部 熱分解GC-MSによる高分子分析法の検討 熱分解GC-MS分析は高分子材料の主成分だけでなく残留溶媒や添加剤などの構成成分に関する情報も得られることから、高分子材料の分析・解析において有効な分析手法である。本研究では、反応熱分解GC-MS分析において加水分解反応が進みにくいポリアミド樹脂やポリイミド樹脂などの高分子材料について反応熱分解法の検討を行い、構造解析に資する情報を得るための分析条件の最適化を目的とする。
26 化学技術部 アミロース膜表面における分子吸着メカニズムの解明 フタル酸エステルは樹脂の可塑剤として広く用いられているが内分泌かく乱物質(環境ホルモン)として懸念されており、近年、EUのRoHS指令に記載されるなど環境規制が強まっている。そのため、フタル酸エステルの検出技術の需要が高まっている。そこで本研究は環境低負荷なアミロースを用いた、水環境中でのフタル酸エステル分子リアルタイム検出システムの構築を志向する。アミロース分子鎖はらせん構造を形成し、らせん内部に分子を包接できる。この分子吸着可能なアミロースとナノグラムオーダーで質量変化の検出可能な水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を組み合わせることで、水環境中の微量分子の検出が可能になる。本研究では、これまでに報告したアミロース膜のフタル酸エステル吸着挙動のメカニズムを明らかにすることを目的とし、分子吸着挙動の濃度依存性および温度依存性を検討する。
27 化学技術部 写像性評価の有用性に関する検討(2) 製品表面のつや感を評価する方法として、従来から光沢、ヘーズなどが用いられてきた。しかし、つや感が異なると目視で感じる表面状態でも、同程度の光沢度やヘーズ値を示すことがある。物質表面に写った像の鮮明度を評価する指標として、写像性、像鮮明度があり、つや感に大きく寄与すると考えられている。塗装、樹脂、金属、紙など、様々な表面質感を持つ試料について、光沢、ヘーズの測定結果と写像性(像鮮明度)などの表面特性の測定結果を比較し、物質の表面状態を評価するための指標として、写像性測定の有用性を検討する。
28 化学技術部 六価クロム標準試料開発に関する基礎的検討 表面処理鋼板(三価クロメート処理)中の六価クロム標準物質の試作を行うための基礎的検討。
表面処理鋼板(三価クロメート処理)を作成し、標準物質として重要なの六価クロム濃度の管理方法、安定性を検討する。
29 化学技術部 電解オゾン水に関する基礎研究 オゾンによる殺菌効果を期待した電解オゾン水生成器において、溶存オゾン濃度等が正確に定量できる測定法を検討する。
30 化学技術部 酸化によるジテルペノイド成分の抗酸化性の変化 植物成分には,食品の酸化防止剤として産業利用されているものがある。一方,国内の人工林は針葉樹が大部分を占めており,その資源供給可能量は多いが,含有成分の使用方法は精油等の利用が主である。本研究では樹木成分の利用拡大を目的とし,針葉樹に多く含まれるジテルペノイド成分の利用上の特性を検討するため,ジテルペノイド成分の酸化による抗酸化性の変化を調べる。
31 化学技術部 in vitro食品機能性評価における有機溶媒の影響 in vitroにおける食品機能性評価は、主に各種酵素阻害活性試験を行うことで実施している。食品試料の対象は、基本的に水溶性試料を対象にしているが、実際の依頼においてはエタノールやメタノールなど有機溶媒に溶解している試料の測定を希望される場合が多い。有機溶媒は各種酵素阻害活性試験において悪影響を及ぼすことが懸念されるが、その影響について詳細に検討した事例はない。そのため、各種食品機能性評価試験について、試料溶解に許容される有機溶媒の種類や濃度を把握することで、今後の試験計測に役立つ基礎的なデータを得ることが出来る。
32 川崎技術支援部 光触媒の性能向上のための基礎研究~比較試験片の作製~ ①背景:光触媒のJIS試験方法の課題として、複雑な評価法でありながら、標準的な試験片がなく、評価ばらつきと試料のばらつきの区別がつけづらく製品開発の妨げになっている。また、業界が原料-ブレンド-加工に分類されており、最終商品における性能要因に及ぼす因子が把握しづらい。
②目的:光触媒のJIS評価試験用の比較試験片の開発に取り組んでいる。比較試験片の開発により評価精度の向上を目指すともに、光触媒製造プロセスにおける性能低下要因の把握や、耐久性能の低下要因の解析も可能とする。
③実験内容:比較試験の作成⇒比較試験片の材料組成を確認し、評価安定性との相関を把握する。⇒耐光試験を実施し、耐久性能を把握する。
33 川崎技術支援部 ウィズコロナ時代に向けた抗ウイルス製品のスクリーニング法の研究開発 ①背景:コロナ禍で、各種抗ウイルス製品の研究開発が盛んにおこなわれている。費用などのハードルが高い効ウイルス性能試験の代替となる評価法が求められている。
②目的:光触媒JIS試験を用いた抗菌抗ウイルス性能スクリーニング試験方法を開発する。
③実験内容:光触媒JIS試験のうち、主にセルフクリーニング性能試験と抗菌抗ウイルス性能試験を同じ試料に対して実施し、相関を確認してデータベースとすることで、セルフクリーニング性能試験を抗ウイルス製品の性能評価法として提案する。
34 川崎技術支援部 オゾン生成用Ptスポンジ電極のオゾン生成機構の調査 様々な現象の解明には、ナノ・マイクロスケールでの微細な構造の解析が重要である。本研究では、PtワイヤをTi基板に一定電圧下でショートさせながらこすりつける電撃連打法(Multiple electrostrike, ME法)で作製されるオゾン生成用Pt/Ti電極の電解オゾン生成能評価と微細構造解析を行う。当該電極を用いたオゾン発生機構は新規性が高いものの、その構造は不明な点も多い。そこで、FIB-SEMやTEMを活用してナノレベルの分析を行い、性能評価と併せてオゾン生成機構を考察する。
35 川崎技術支援部 色彩測定によるペロブスカイト太陽電池の良否判断について ①背景 : 次世代の太陽電池として注目されているペロブスカイト太陽電池(PSC)は、製膜環境、作業者の習熟度など様々な不確定要素によってペロブスカイト膜に優劣が生まれる。この研究では、ペロブスカイト膜の色、輝度、反射率などによって成膜状態を判断できるかの検討を行う。
②目的 : ペロブスカイト膜の色、輝度、反射率などによって成膜状態を判断する。また劣化度合いの判定を行う。
③実験内容 : ペロブスカイト膜の色、輝度、反射率などの測定を行い、どの部分が良否に関連しているか把握する。また、AI技術を用い発電性能の自動判断機構を構築する。