戦略的研究シーズ育成事業 活動紹介
フォーラム概要 |
戦略的研究シーズ育成事業は、神奈川県の科学技術政策と連動して、産業の発展と生活の質的向上に寄与することを目指し、地域の経済的価値(新産業・新事業)の創出や地域の社会的価値(クオリティー・オブ・ライフの向上等)の創出に発展するような研究シーズの育成を目的とした公募型の共同研究事業です。 このうち、2020年度から開始した3テーマ、及び2021年度から開始予定の3テーマについてご紹介します。 |
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発表形式 | 電子資料活用型 |
講師・発表者 |
■(2020年度開始)光操作に基づく医療技術の創出 佐藤 守俊(東京大学大学院 総合文化研究科) 本研究では、生体の中に入った医薬品の働きを光で、特に、生体組織の透過性が極めて高い近赤外光で、自由自在に操作するための、一般性・汎用性の高い基盤技術を開発します。これにより、光照射による遺伝子治療やガン治療等の革新的な医療技術の実現を目指します。 ■(2020年度開始)貴金属フリー新規触媒技術の開発 砂田 祐輔(東京大学 生産技術研究所) 本研究では、研究代表者らがこれまでに開発してきた、鉄などの普遍金属のみを用いた触媒合成技術を基に、貴金属を用いない新触媒を開発します。開発した触媒を、貴金属フリーな化成品合成やエネルギー活用技術へと展開し、貴金属に依存しない社会の構築に貢献することを目指します。 ■(2020年度開始)超高空間分解を実現するナノカーボン光分析装置 牧 英之(慶應義塾大学 理工学部) 本研究では、ナノカーボン材料のナノ構造に注目し、従来の光分析での空間分解能の壁を打ち破る、全く新しい高空間分解能の光分析装置を開発します。このような装置の実現により、従来の装置では困難であった微小領域の分析や高分解能のイメージング装置の開発が可能となり、化学、物理、材料、バイオ領域など幅広い分野で利用可能な新しい光分析技術を提供します。 ■(2021年度開始)光技術を用いた超広帯域テラヘルツオシロスコープの開発 片山 郁文(横浜国立大学 教授) 本研究では、超短パルスレーザーやファイバーなどの光技術を活用することによって、テラヘルツ(THz)領域(1秒間に1兆回振動する電磁波)の電場波形を簡便、かつ高速に検出する技術を開発し、従来技術では到達できない広帯域のテラヘルツオシロスコープの開発を目指します。技術によって、テラヘルツデバイスの応用範囲を拡大し、産業の振興に貢献することを目指します。 ■(2021年度開始)ゲノム構築技術による創薬研究基盤の開発 相澤 康則(東京工業大学 准教授) 本研究では、昨年ノーベル化学賞を受賞したクリスパー・キャス9技術(ゲノムDNAの任意の配列部位だけを改変できる技術)を基盤として研究代表者らが培ってきたゲノム構築技術を用い、様々な疾患に特有のゲノム変異をもつiPS細胞を創出して発症機構の解明、治療薬の探索、治療技術の開発を可能とする技術基盤の開発を進めるとともに、新型コロナウイルスに対する創薬基盤の確立も目指します。 ■(2021年度開始)化学ボロフェンによるフレキシブル素子の開発 神戸 徹也(東京工業大学 助教) 本研究ではボロフェン骨格を持つ安定なホウ素原子層シートを化学原料から液相で合成できる「化学ボロフェン」を開拓します。この化学ボロフェンの安価で簡便な合成手法を確立し、化学修飾や元素置換により機能化を推し進めることで、既存材料では発現できない新しい二次元素子材料の開拓を目指します。 |
問い合わせ先 |
(地独)神奈川県立産業技術総合研究所 研究開発部 電話:044-819-2030 |