研究開発人材のための読解力向上・説明力開発コース◆演習つき~問いを読み解き、考えを論理的に組み立て、表現する~(R4)

開講期間

令和4年10月19日(水)、26日(水)※計2日間
※会場開催の実習を中心とした講座です。

会場

かながわサイエンスパーク内 講義室  (川崎市高津区坂戸3-2-1)
JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車 シャトルバス 5 分
JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分 「高津中学校入口」下車徒歩3 分

※感染症対策を実施の上で開催いたします。

募集人員

20名 *先着順にて承ります

対象者

  • 企業、研究機関にご所属で、
  • 企業の開発現場や研究部門にご所属で、研究・開発を行いながら、そろそろマネジメントにも携わろうとする方。
  • 読解力、説明力の不足を感じている方。
  • 必要に迫られてプレゼンテーションや会議資料を作成するものの、「いまひとつ」と感じることが多い方。
  • 「コミュニケーション」に自信がないと感じている方。
  • 研究開発人材や、研究開発人材といっしょに仕事をする方々。

・・・いずれもご受講いただけます。

受講料(消費税込み)

A 一般 40,000円
B KISTEC パートナー団体会員 32,000円
C 神奈川県内中小企業 32,000円
D C以外の神奈川県内企業 36,000円
E 神奈川県内在住の個人の方 36,000円
※ 神奈川県内中⼩企業とは・・・神奈川県内に事業所があり、資本金が3億円以下または企業全体の従業員数が300名以下の企業を指します。

カリキュラム編成者

松山繁博 氏(株式会社自己成長支援ラボ 所長)

カリキュラム内容と日程

2022年10月19日(水)
10:00~ はじめに
オリエンテーション/講師紹介
10:05~10:20 研究開発人材からマネジメント人材へ
 組織における「役割」の変化に伴い、従来求められていた「伝えるための論理性」と、 今後求められる、「理解を促す論理性」の差異をまず理解する。
講義
10:20~11:20 主張を展開する力
 適切な主張・主観を表現することは、説明の論理性を阻害するものではない。では主観を入れたロジカルな説明とはどのようにすればよいか?帰納法と演繹法による三角ロジックの展開の仕方を学ぶ。
講義+演習
11:20~12:20 因果関係を明らかにするプロセス
 因果関係とは?―「原因と結果」を中心とした因果関係から、共通認識を得るための、さまざまな因果関係が求められるようになる。因果関係、単純相関、独立などについて講義と演習を通して学ぶ。
講義+演習
13:20~14:20 分析から統合へ~情報を整理する力をつける
 情報を整理する―それは「分析」一辺倒から一歩進み、総合的・統合的に「まとめる」ことまでを含むプロセスである。MECEや階層化の手法から情報整理を実践的に学び、「まとめる」ステップとその効果を実感する。
講義+演習
14:30~15:30 合理的な推論とその効果
 知識の援用による推論、フェルミ推定などの手法から、推論の意味について理解する。合理的な推論は合理的な説明に有用であることを実感し、実践する力を養う。
講義+演習
15:40~17:10 <総合演習1>学んだことを整理し、論理的に相手に伝える
 「情報」「知識」を外部から収集し、増やしていくことに加え、相手とのやりとりから生まれるもの、自分の「気づき」「発見」を反すうしながら、経験とリアリティに富む知識を蓄積し、応用する能力が求められるようになる。グループ演習、レポート作成を通じて理解を深める。
演習
2022年10月26日(水)
10:00~10:40 <総合演習2>課題の添削
 事前課題として持参した書類を、ペアを組んだ相手=「そこに書かれたことについてよくは知らない人」と相互に添削し合う。添削結果を受け、自分の能力開発課題について把握し、発表を行う。
演習
10:50~12:00 問題を解決する力のつけ方
 定められた目標の達成に向けて、やるべき課題をこなすことから、問題の解決に向けて課題そのものを見出す能力が求められる。これは説明能力や読解力と密接に結びついている。論理的に問題を解決する力を、「原因の掘り下げ(Whツリー)」、「解決策の検討(Hoツリー)」の演習を通じて身につける。
講義+演習
13:00~13:40 目的に応じた説明① 説明の構成を変える
 目的に応じて説明の組み立てを変えることはなぜ必要か?対象(受け手・読み手)が変われば説明の仕方も変わる。マネジメントの場面では「理解を得る」から、対象者の次の行動を誘発するための説明が求められる。「ねらい、目指すところ」に応じた説明の場合分けを「構成」の視点から検討する。
講義+演習
13:40~14:10 目的に応じた説明② 表現の仕方を変える
 正確さ、厳密さを追求とすると、絶対的な表現が主になりがちだが、前日学んだ主張の展開を交え、比較・比喩を用いた表現は相手の理解を促す効果が高い。読んでもらうための表・グラフから、主張を伝える表・グラフの作成の仕方など、目的に応じて「表現」を変える力をつける。
講義+演習
14:10~14:50 コミュニケーションを進める力をつける
 「コミュニケーション能力を高めて」とは言われるけれど、なぜか「説明するより自分でやってしまった方が早い」に陥るのは拠って立つ前提がずれたまま進むコミュニケーションのせいかもしれない。前提を整理し、論点(イシュー)を明確化することから始める「相手の理解、行動を促す説明の力」を養う。
講義+演習
15:00~16:30 <総合演習3>学んだことを整理し、 論理的に相手に伝える
 「情報」「知識」を外部から収集し、増やしていくことに加え、相手とのやりとりから生まれるもの、自分の「気づき」「発見」を反すうしながら、経験とリアリティに富む知識を蓄積し、応用する能力が求められるようになる。グループ演習、レポート作成を通じて理解を深める。
演習(課題:演習とレポートの作成)
16:40~17:10 これからの能力開発課題
 「情報」「知識」を外部から収集し、増やしていくことに加え、相手とのやりとりから生まれるもの、自分の「気づき」「発見」を反すうしながら、経験とリアリティに富む知識を蓄積し、応用する能力が求められるようになる。グループ演習、レポート作成を通じて理解を深める。
演習
<演習について>
  • 個人で行うもの、他の受講者の方とペアを組んで実施するものがあります。
  • 受講者の方々が実際に上司の方などに説明を行った、もしくは今後説明をする予定の資料を題材として準備していただきます。
  • 情報開示不可能の部分は、それぞれ削除や変更をして持参してください。
  • この資料の内容は、初日の研修実施前のもので、簡単すぎずある程度説明が難しいものを選んでください。
  • A4サイズの用紙に最大3ページまでとします。
  • 講座日程2日目の講義時、ペアを組んだ相手の方と、それぞれの資料について、お互いに添削・フィードバックを行います。
  • 学習効果を高め、能力向上に結び付く機会となるよう、簡単すぎず、ある程度難しい説明が必要な資料が望ましいでしょう。

カリキュラム編成者からのメッセージ

 「もう少し、『人に解るように』説明してくれないかなぁ・・・」
 上司や取引先、共同事業の相手から、こんなふうに言われた経験はありませんか?ここで言う「人」とは、どんなひとなのでしょう?いったい誰のことを指しているのでしょう?あなたにそう言った相手、それとも別の関係者、特定の人物、はたまた見知らぬ他人、まさか、ひと全般  ?

 求められて、そのつもりで一所懸命「わかりやすい」と思われる資料を、相応の時間を費やし作成して、かなりの意気込みで会議や発表の場に臨んだにもかかわらず、「うーん、なんだか解ったような、解らないような・・・」と周りの人に苦笑いされてしまう。専門用語の使い方も間違っていなければ、客観的な証拠となるデータも揃え、視覚に訴えるべく図やグラフを多用し、デザインにも工夫した。それなのに、いったいどうしたことか  ?

 「説明」とは、解りやすさを追求すればするほど、なぜかどんどん「難しく」なってしまう性質を備えてもいるようです。では「説明」とは、優しく、解りやすく、のみを心がければよいものなのでしょうか?

 この講座では、解りにくい説明を「わかる説明」、「相手の理解に届く説明」へと近づけるために、「主張の展開」、「因果関係の明確化」、「分析から統合までの情報整理」、「合理的推論」の力をつけることを目指します。この4つの力は、さまざまなやりとりの中で文脈をきちんととらえた上で、「問題解決能力」「目的・状況に応じた論理展開と適切な表現」、そして「コミュニケーションを前に進める能力」へと通じていくものです。ここには「相手の話を聞く、聞いて理解する=読解力」の確かさも関わってきます。マネジメントに携わるようになると、コミュニケーションを前に進められることがすなわち課題の解決に向けて物事を進めていくこととほぼ同じ意味を持つようになります。(わからない相手が悪い!)と心の中でシャッターを下げてしまう前に、「なぜ自分のこの説明では、他の人に解ってもらえないのか?」「自分では充分考えたあげく、納得できるこの説明が、なぜ他の人には通じにくいのか?」改めて考え、その説明のクセを少し直してみませんか?

 専門用語や数値データ、統計的資料や図表を「盛る」ことからいったん離れ、平易な「普通のことば」による説明について、いっしょに考えてみましょう。そして、普通のことばでつづられる説明が、どれくらい「解ってもらえる」ものになるか、実感してみて下さい。プロジェクトの経過報告、論文執筆、会議でのプレゼン・・・研究開発人材に必要な「表現」に通じる基本とは何か。演習では、ご自身の日常業務に直接関わる資料も題材にしますので、その点でもまさに「実践的な」内容になるはずです。

   松山 繁博 (株式会社自己成長支援ラボ 所長)

◆◆重要(必ず以下の事項の詳細をご確認の上、お申込みください)
*申込締切後、受講決定者には受講票・受講料請求書等の必要書類をお送りします。
*<演習について>をよくご確認の上、ご受講ください。
*申込締切後でも、定員に余裕がある場合はお申込みを受付けられる場合がありますのでお問合せください。
*全日程出席者には「修了証」を送付いたします。
*講義中、許可なく講義内容の一部、およびすべてを複製、転載または撮影、配布、印刷など、第三者の利用に供することを禁止します。
*やむを得ない事情により、日程・内容等の変更や中止をする場合があります。
*その他、お申込みについてご不明な点は、主催者へお問い合わせください。

●主催:地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)

●後援・協賛(一部申請中):(国研)科学技術振興機構(JST)、(独)情報処理推進機構、(一社)情報処理学会、(一社)日本数学会、(一社)人工知能学会、(公社)日本工学教育協会、(一社)日本機械学会、(一社)日本教育工学会、川崎商工会議所、株式会社ケイエスピー

人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL:044-819-2033
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