年度初めのご挨拶

                                          

 令和2 (2020)年度の期首にあたり、ご挨拶申し上げます。

 昨年度末から新型コロナウイルス感染症が産業・社会に大きな影響を及ぼしており、KISTECにおいても開催予定の研修やセミナー等を中止とさせていただくなど、事前にお申込みをいただいた皆様にはご迷惑をおかけしました。また、ご来所時にマスクの着用やアルコール消毒等の感染拡大防止にご理解・ご協力いただいている皆様にも心より御礼を申し上げます。

 さて、昨年度全体を振り返ると、おかげさまで年度目標をほぼ達成することができました。行動指針「公設研究機関の新しいカタチを創る」に則り、1年前に、「魅力ある産技総研へ」という言葉に集約した成長・展開を掲げさせていただきました。「魅力ある産技総研へ」は、①お客様にとって魅力ある公設試・研究所(技術と信頼を高める)、②地域社会との魅力ある協働(社会連携と安心安全をつなげる)、③魅力あり、働きやすい職場(働きがいの向上)の3つのカテゴリーにまとめることができます。そして、新年度も引き続き、その進化に努めてまいります。

 今後、日本の社会も、Society5.0 に示されている姿へと大きく変わっていくことが予測されます。しかし、これまでKISTECが培ってきた技術・ノウハウを踏まえて、県下の中小企業や社会が必要とする支援、貢献できる業務を発展的に継続していく使命に変わりはありません。昨年度導入した「ICP発光分光分析複合型システム」や「分析透過電子顕微鏡」、今年度導入予定の「化学反応評価装置」や「パワー半導体特性評価装置」、「放射・伝導電磁界イミュニティ試験システム」など、機器の更新を継続的に進め、試験計測項目や他機関との共同研究を増やすことで、KISTECの技術ポテンシャルの向上を目指していきます。技術開発支援に加えて、新たな顧客価値の創造に向けた総合的デザイン支援・事業化を見据えたマッチング業務も強化します。人材育成事業では、新しい企画に挑戦して、科学技術の革新・普及啓もうに貢献していきます。

 研究開発事業では、イノベーション創出を加速させるために、外部資金も有効に活用し、大学・企業との連携を深めていきます。近年、バイオ分野の研究開発事業が広がっており、殿町地区などに新たな拠点を整備し、充実させていきます。

 そして、お客様の満足度向上につながる業務効率化に向けて、新しい技術支援情報システム(業務システム)の使用をスタートしました。併せて、受付業務を簡素化するご利用者カードの登録を開始し、お客様の利便性向上にも努めてまいります。海老名本部に産業情報メディアセンターあるいは創造空間としての機能を持たせたスペースを設け、県内中小企業・県民のSociety5.0で示されている現実と仮想が融合した社会・産業のイノベーション創出拠点として整備していきます。お客様・地域社会に、これまで以上に頼りになる、頼りにされる「魅力ある公設試・研究所」への進化を目指して参ります。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

                                          令和2年4月

                                          地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所

                                          理事長 鈴木 邦雄