サプライチェーン全体で考える化学物質規制対応の新潮流【基礎的要求を知る編】

~DPP(Digital Product Passport )に対応するエコデザイン製品つくりのしくみ~
【基本的要求を知る編】
第1回 2025年6月27日(金)10:00~17:00
定員: 80名(対面受講:15名/オンライン受講:65名)
受講料:7,000円(税込)
開催方法:対面開催とオンライン配信によるハイブリッド講座
対面受講の会場
かながわサイエンスパーク内講義室(川崎市高津区坂戸3-2-1)Map・アクセス詳細はこちら
- JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車 シャトルバス 5 分
- JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分 「高津中学校入口」下車徒歩3分 東急バスのアクセスはこちら
※感染症対策を実施の上で開催いたします。 感染症対策の詳細はこちら
オンライン受講について
- Zoomを利用してオンライン配信いたします。受講要項をご確認の上、お申込みください。
- PC、スマートフォン、タブレットでもご受講いただけます。
- ご受講書類は、お申込みいただいたご住所宛に事前に郵送いたします。テキストは受講日前日までにダウンロード形式で配布いたします。
カリキュラム内容と日程
第1回【本質を理解する】2025年6月27日(金)10:00~17:00
対象者
製品規制法の基礎的知識を知りたい新任担当者、サプライヤ教育を担当する方
内容
輸出製品に要求される環境、化学物質規制法の基礎的知識を得たい方向けに、世界のデファクト法といわれる「EU RoHS指令」「EU REACH規則」「GHSとEU CLP規則」などの基本的要求事項を解説します。
10:00~10:10(10分) | オープニング |
10:10~11:00(50分) | EUの環境政策の動向と国際条約の動向 |
11:10~12:00(50分) | EU WEEE指令とRoHS指令の本質 |
13:00~13:50(50分) | EU GHSとEU CLP規則の本質 |
14:00~14:50(50分) | US TSCAとカリフォルニア等の州法の本質 |
15:00~15:40(40分) | インド法やブラジル法の本質 |
15:50~16:30(40分) | 中国法の本質 |
16:30~17:00(30分) | Q&A |
本コースの構成
本コースは新たな要求であるDPPへの企業対応をこれからの課題としつつ、EUなどで起きている環境政策の潮流、個別法の本質と変化の動向及び変化を受け入れるマネジメントシステムの考え方を3回に分けて説明いたします。皆様のご要望に合わせて、各回のテーマを設定しておりますので、ご自身の課題に合わせて、ぜひご受講ください。(第2回、第3回は募集開始次第、本ホームページにてご案内いたします。)
新任担当に任命されたので製品規制法の基礎的知識を知りたい
第1回 基本的要求を知る編(6月27日開催)
<輸出製品に要求される先行しているEUの環境、化学物質規制法の基本的要求>
順法担当をしているが、自社情報に抜けがないのか新たな法規制の動向を知りたい
第2回 新たな動向を知る編(9月開催予定)
<輸出製品に要求される先行しているEUの環境、化学物質規制法の新たな動向>
●EUの新たな規制法の概要(1物質1評価、クリーン産業ディール、GPSR、包装材規則、電池規則など)
●エコデザイン規則とDPP
●北米の新たな規制法の概要
●次世代製品含有化学物質情報・資源循環プラットフォーム( CMP)の動向
●コロンビア、チリやブラジル、インドの規制法
●日本の安衛法が求める自律的管理
DPPなどの新たな情報は知っているが、他社の取り組みなどを知りたい
第3回 体験編(11月開催予定)
<DPP によるサプライチェーンマネジメント(SCM)の考え方>
先進企業から先行事例を発表していただき、CAS構築の事例演習を行います。
カリキュラム編成者からのメッセージ
2024年12月に第2期ウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員会が発足し、2025年1月にTrump2が発足しました。欧米では、就任後100日後に公約した政策を具体化する慣わしがあり、基本政策、関連施策などが次々と発表されています。EUは2019年から2050年にカーボンニュートラルの目標を掲げて、 “Backcasting”的に政策展開を徐々に、しかしながらぶれることなく実行しています。ただ、企業にとって具体的対応の着手が難しいと言われています。一方、2050年に向けての大きな潮流に加えて、RoHS指令の用途の除外の見直し、REACH規則のLC-PFASの追加などの足元の変化もあります。
この二つの変化を認識し、個別法の本質を理解して大きな潮流を重ね合わせることで、2つの変化が一つになり、企業対応が具体化できます。この企業対応ができることで、日常的な法規制改定のパッチ当て的な対応から、変化を日常として受け入れる効率的になります。アメリカの政策展開は“Forecasting”的に実行しており、賛否は分かれるもの分かりやすいイメージがあります。EUとの差はアプローチの差異で、企業対応に大きな差異は無いとも思えます。
本講座では、EUなどで起きている環境政策の潮流、個別法の本質と変化の動向及び変化を受け入れるマネジメントシステムの考え方をご説明します。本講座は、企業の営業部門、管理部門、製品開発部門、購買部門、生産部門などの「ものづくり」に関わる担当者向けを意図し、川上、川中、川下企業共通のテーマで構成しています。
また、多様な方々を対象としていますので、受講される皆さまのご要望をお聞きし、 “On Demand”的にプログラム構成の見直しをします。新任担当者から新たな企業対応を模索している専任担当者まで幅広くご参加いただける構成になっています。
この講座では、環境の法律だけでなく、日本企業が欧米のルールにどう対応すべきかを学びます。本年の本講座は、ハイブリッド形式、リアル形式で各回ともに対面式で開催します。是非、対面で日頃の疑問を気軽に講師に問いかけたり、受講者間で情報交換をしたりして、講座企画外の情報を入手してください。リアル、Webでお目にかかれることを楽しみにしております。
一般社団法人東京環境経営研究所(TKK) 所長
一般社団法人産業環境管理協会 技術参与
松浦徹也 (中小企業診断士・環境計量士)
2025年度「サプライチェーン全体で考える化学物質規制対応の新潮流」コースのねらい・特色
2024年6月28日にEUが「エコデザイン規則(ESPR: Ecodesign for Sustainable Products Regulation)」をエコデザイン指令に替えて公布しました。エコデザインというと「省エネ」が先ず思い浮かびますが、事実エコデザイン指令では待機電力基準などが基本テーマでした。ESPRは1987年のブルントラント委員会最終報告書 「我ら共通の未来」 (Our Common Future) の「持続可能な開発」という考え方やネイティブアメリカンの「地球は祖先からの贈り物ではない。子供たちからの預かり物だ」という教えがいたるところに出てきます。Ecodesign は、“environmentally conscious design” (環境に配慮した設計(e-co design))要求で、ESPRの狙いでもあります。EPSRは、2050年に気候中立(カーボンニュートラル)を実現して、子供たちに美しく豊かな地球をお返しする取り組みの一つです。
ESPRの主な目的は、「源効率の向上」「環境負荷の低減」「製品の長寿命化」です。ただ、これらの規定への対応は商品の外観からは見られるものではなく、短期的にはコスト面などで企業負担は増えます。e-co design製品を普及するには消費者がe-co design製品を選択して購入するように情報を提供することが求められます。
ESPRでは、デジタル製品パスポート(DPP)でe-co design製品の説明することを多くのページを割いて要求しています。DPPの内容は、附属書Iに規定されていますが、そのなかで「製品を作る過程で、または製品の中に含まれる物質の使用について、特に注意すべき物質を単独で使う場合、他の物質と混ぜて使う場合、あるいは製品が廃棄物になった後の影響も含めて、それらが人の健康や環境に与える影響」が含まれています。
カーボンフットプリントのように、サプライヤーも含めて製品を作る過程の環境へ影響を与えるフットプリントを確認し、川下に情報を渡す必要があります。DPPで製品により「適合宣言書、技術文書、適合証明書など、本規則または製品に適用されるその他のEU法に基づいて要求される順法文書および情報」の開示が求められる場合があります。
DPPは、サプライチェーン全体でe-co design製品つくりが求められ、それを客観的に開示するという「製品順法保証」から「サプライチェーン順法保証」への大きな変化です。20年にわたる本講座は、順法はCAS(Compliance Assurance System)で保証することを提唱してきました。「サプライチェーン順法保証」でもCASは必要であり、従来以上に必要ともいえます。
DPPという新しい要求は、RoHS指令などの除外要件の変更、POPs条約の物質追加などに比べると大きな変化で、日本の経済産業省も「次世代製品含有化学物質情報・資源循環プラットフォーム(Chemical and Circular Management Platform CMP)構想」で検討を開始しています。
多くの日本企業が製品に関わるEU法を身近に感じたのは2001年10月にオランダ当局がヨーロッパ向けゲーム機の周辺機器の一部に、同国規制で許容されるレベルを超えたカドミウムを含有しているものがあると判定した輸入制限です。これを契機として、順法部署が編成され、10年15年と担当して製品順法を維持してきているご担当者が数多くおられます。一方で、この事件から四半世紀経過し、世代交代が進み、新任担当者も増えてきています。順法部署は少数の担当者で運営している企業が多く、担当者は課されている責任の重さから意思決定に悩みを抱えていることが多いようです。
この講座は20年の長きにわたり開催しており、多くの受講者か様々なご意見ご要望を頂いております。新たな要求であるDPPへの企業対応がこれからの課題としても、ご要望を整理すると、以下の3項目になります。
① 新任担当に任命されたので製品規制法の基礎的知識を知りたい
② 順法担当をしているが、自社情報に抜けがないのか新たな法規制の動向を知りたい
③ DPPなどの新たな情報は知っているが、他社の取り組みなどを知りたい
このため、本講座は3回シリーズとします。
第1回:輸出製品に要求される先行しているEUの環境、化学物質規制法の基本的要求
第2回:輸出製品に要求される先行しているEUの環境、化学物質規制法の新たな動向
第3回:DPP によるサプライチェーンマネジメント(SCM)の考え方
後援
(一社)東京環境経営研究所 (一社)東京都中小企業診断士協会 (公社)環境科学会 (一社)表面技術協会
(一社)電子情報技術産業協会 (一社)日本電子回路工業会 (一社)エレクトロニクス実装学会 (公社)自動車技術会 川崎商工会議所 (株)ケイエスピー
関連講座
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人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL:044-819-2033
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